本屋のダイアナ
このペースで書き続けると媒体ごとのジャンル分けでよかった気もするけれどまぁ始めてしまったものなのでちゃんとタイトル別にも分類していこう…
twitterであるブックデザイナーさんがRTされていて、それはもう可愛らしい装丁にひかれて気になっていた本です。
本屋大賞にもノミネートされていたみたいですね。
ストーリーと面白い点は散々いろんな場所で取り上げられていまさら書くようなことでもなく、また実際面白い本なので他の素敵なブログを見てもらうとして自分は個人的にイマイチだった点を書いていこう。
というか実際何度か途中で挫折した点ですね。
吐き出してすっきりしたいだけなので畳みましょう。
まず一つめ。
今時(?)の若手作家のなかでは珍しく会話文 に頼らないで心情を描こうという気持ちはよく分かるし、可愛らしかったりお洒落な表現をつかって女性の心をときめかせるような文章になっている。
それでいて主人公達の気持ちも推し量られるようで、人気なのも分かる。
けど、あまりにも素敵な文章にしようとしすぎてワンパターンに感じてしまい、途中で飽きたのも事実です。
短い文章を連ねるタイプで毎回同じリズムの文章になっちゃってさらにワンパターン感が増しちゃっている気がする…。
二つめ。
「大人向け」の少女小説なだけあって、DQNネームから始まり2chやはたまたヤリサーなんていうちょっと子供には見せたくないようなシーンも取り入れて、ダイアナや彩子の存在を身近に、現実的なものに見せてくれている。
「起こったこと」は現実的なんだけれど、中身は作者の想像で補われているような気がするし、もっといえば少しづつ成長していく過程に必ずエピソードを一ついれていくため(これは物語の特性上仕方がないことなのかもしれないけれど)エピソードが氾濫してしまっています。
エピソードを通しての心情の変化は楽しめましたが…。
一つ例にとれば2chを模したと思われるネット掲示板の件。お互いが誰かも分からずとも繋がっていた運命のようなものを現代のツールを使って描きたかったのは分かりますが、そもそも一発屋の作者のスレッドが立つでしょうか?
一発屋のスレッドにアンチがくるでしょうか?
連日語るほど人がいるでしょうか?
繋がっていることが分かるエピソードなら、離れていても同じ本に関わる職業を目指していたということで最後に繋げられますし、ダイアナの居場所なら武田君!君の数少ない見せ場に出来たじゃろ!
もちろん小説ですからご都合主義や現実との相違点を上げだしたらきりがないのですが、私の中では内容に没頭する前に気になっちゃうことが多すぎて、これがまた現実とリンクしていないことなら素直に楽しめたのかなと思います。
色々と書いてしまいましたが、人生しがらみばっかりで生きにくいぜ!とうまく行かないことを全て人生に丸投げしていた私はきっちり泣きました。