タイピスト(2012)

ずーっと気になっていたこの映画。

たぶん何かの雑誌の映画紹介で見たのが最初だったと思うんですが、大島依提亜さんがデザインされたパンフレットがとかく可愛い!

このパンフレットを見てこの映画を見たいと思わない女子はいない!!(失言)

タイプライターなんてこの時代そうそう見るものではないですけれど、アナログと機械の真ん中、みたいな存在も可愛い。

タイプライターサイコー!!

 

 

 

 

田舎娘のローズは都会に憧れルイが営む保険会社の秘書の仕事に応募、乗り気ではなかったルイだがローズのタイプ内の早さを見て考え直す。

ドジなローズは仕事でミスをしてばかり…そんなローズを雇う条件としてルイが提示したのが「タイプの早撃ちでフランスチャンピオンになること」。

特訓のために同棲を始めた2人はやがて…。

 

というパッケージに負けず劣らず薔薇色な恋愛王道ストーリー。

というか始終薔薇色桃色、もし携帯小説が好きな彼女がいたらこの映画を選んでおけば間違いありません。

映像も始終レトロファッションに身を包んだローズが醸し出す可愛らしさと、これでもか!というほどの50年代シャレオツ感溢れる徹底した舞台作りにホレボレします。

そう、これこそ我々凡人が想像するお洒落の国・フランス。

 

映像も凄く良い。

カタカタとタイプライターを打ち鳴らすだけの競技ですが特にフランス1位を決める大会は激アツです。グルグルグルグル回るカメラワークとともにドキドキも最高潮。

正直祈りながら見ることになるとは思いも寄らなかった。女の戦い怖すぎ。

 

非情に残念なのがストーリー…むしろもうストーリーは無視して映像を楽しむものと割り切ってみるのが一番楽しめると思うんだ…。

肝心の恋愛描写が「一緒に暮らしていたら好きになっちゃった!」くらいのもので月9ドラマ並のまぁそういう展開だわな…感満載。

(決して月9を馬鹿にしている訳じゃないのでジャ●ーズファンの女の子は怒らないで欲しい)

そもそもルイが何故そこまでタイピスト世界一位を修造ばりに目指しているのか分からない。

いや理由として「一度挫折を味わっているから」というのが用意されてはいるんだけどタイピスト競技への理解や指導方法を見てると元々興味を持っていたみたいだしウーン????

 

一番の問題はルイとローズのすぐそばにマリーとボブという完璧お似合いな夫婦がいたこと。

この2人理想の夫婦すぎる…ボブ素敵!抱いて!!

それに比べてルイとローズの子供っぽさは共通の知り合いがいたら飲み会で1時間ばかりネタにされるレベル。

あとどう見ても世界大会よりフランス大会の方がドキドキしましたありがとうございます。主人公補正に勝るものナシ。

 

何も考えなければ泣けるところもあるし、熱いところもあるし、笑えるところもあるし、何よりひたすらお洒落で可愛いので面白い映画です。パンフレットも凝ってるし。

でも、だからこそ、もう少し脚本がどうにかなっていたらなと凄く惜しい気持ちになりました。

もしかしたら私の心がもっと純粋無垢だったら最高に楽しめたかもしれない。