魔法陣グルグル(1994年)

小学生の頃、近所のコンビニにわくわくしながら買いに行ったものがありました。

チャームに埋め込まれた鏡に光を反射させると、反射した光の中に魔法陣が浮かび上がるというもの。

ワクワクして開けた箱の中からは、一番要らなかったふんどし魔人の姿が…

ふっと箱の見える位置に、中に入っているものがでかでかと書かれていたのを発見したときのどうしようもない気持ちは今でも忘れられません。

多分白目で顔面に縦線はいってたと思う。

 

「ただし魔法は尻から出る」

「わきのしたでおにぎり」

「材料は?」「ギンギー」

など数々の迷言を生み出した「魔法陣グルグル

 

EMOTION the Best 魔法陣グルグル DVD-BOX 1

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アニメを改めて見ると、子供向けに大分丁寧に作っているなという印象です。

もともと原作自体が(絵柄の変化はとりあえず置いておいて)紙面の見せ方が上手くテンポが良い作品なので、漫画と比べるとテンポが悪く感じるかもしれませんが、原作よりも詳しく見せて行くことで展開やシーンが大分分かりやすくなっています。

ただし原作ファン、特にある程度の年齢に達している層から見ると、勢いが失われている感じがするのも分かります。

 

また、光魔法の扱い自体が一つのギャグなので、キラキラが「様々なものから剣を取り出すことが出来る」という設定になっていたり、かっこいいポーズを真面目な修行をして習得するという話にしてしまったのは勿体ないです。

特にキラキラは何でも剣に出来る便利機能になってしまい、後半のピンチになると新しい魔法陣が出現するというチート展開に拍車をかけるものになってしまいました。

 

後半は原作ストックがあまりなかったためかオリジナル展開に入るのですが、作者が関わっていたことも有り、グルグルとしての世界観が大きく崩れることはありません。

これはファンタジーとして、またギャグアニメとしては大切なことだと思います。

特にギップルの故郷を訪れる話では、始終馬鹿馬鹿さが溢れていて良いですね。

 

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第39話「風を呼び戻せ!」。あぁ地獄絵図…アニメでも衛藤氏の描くファンタジーワールドがいかんなく展開されています

 

そしてなんといってもオープニングが良いです。

グルグルはギャグ6割ファンタジー3割シリアス1割ドンチャン騒ぎプライスレスくらいの作品だと思うのですが、これら全てをOPに集約され、また流れるようなシーンの切り替えは御見事ですね。

またEDはどちらも明るく口ずさみやすい曲で、子供向けアニメにはぴったりの曲です。

 

思えばこの頃はまだアニメはあくまで子供達のためのものであり、内容もジャンルも様々でした。

気がつけば子供向けアニメは夕方と朝の数時間に押し込まれ、戦闘と日常を繰り返すものが主流になりました。

これらのことが悪いことだとは思いませんが、アニメはそいろいろな世界に触れ、いろいろなことを体験することの出来る媒体だと思います。

アニメだけではなく、本であれ漫画であれ、ドラマであれ映画、ゲームであれ、多様性が失われてきているような気がして、少し寂しく感じてしまいますね。