バンク・ジョブ(2008)

ロンドンのベーカ街ストリートと聞いただけでホームズに絡めたミステリー映画化と思ったあさはかなシャーロキアンの皆さん、残念ですが私と同レベルの思考能力です。

ロンドンで起こった実在の銀行強盗を元に、何故報道規制がとられるまでの事件に発展したのか?を想像で補いながら描いた映画がこのバンク・ジョブです。

 

バンク・ジョブ デラックス版 [DVD]

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それにしてものっけから大人のシーンから始まるぜ!クレイジーだぜ!

このじめっとしたやり場のないどことなくけだるい感じ、これこそわたしの脳内イギリスです、イイネ!

主人公のテリーは過去にやんちゃをしていた素人こそ泥、現在は中古社業を営みながら家族と暮らしていますが、苦しい生活に横暴な警察官と幸せの日の目を見ることは出来そうも有りません。

そんなときにふっとわいた銀行強盗話。その裏にイギリスの秘密組織・MI5の思惑があるとも知らず、テリーは仲間を集め地下からの穴掘り大作戦で銀行強盗を無事成功させます。

 

一応彼らなりに考えて見張りを立たせたり言い訳を考えたりするものの、そこは素人。

穴を掘る際に出る騒音やトランシーバーの傍受など考えれば思いつきそうな失態を次々と犯して行きます。

地下にトンネルを作って強盗を働くなんて使い尽くされたネタですが、このうっかりのせいで余計なハラハラドキドキが加わって心臓に悪い…しかもこの方法が実話なんて!

もしかしたら当時としては画期的な方法だったのかもしれませんが、歴史上実行した犯人がどれくらいいるんだろう…

 

後半は無事に銀行から大金を盗み出したものの、様々な組織の秘密情報まで持ち出したために各方面から狙われ絶体絶命状態に。

それにしても私が良いなと思ったキャラクターが死んで行くのはなんででしょうね。いや実話だから仕方が無いのかもしれないけど。

登場したときからなんとなく脇役感はでていたけど。

あまりにもあっさり退場してしまいました。この時点で少しテンションが下がるゥ!

もともと銀行強盗なんて悪事を働いたので自業自得かもしれないけれど、腐敗しきった背景が描かれていてその中でもがいたテリーを見ていたから応援せざる負えない。

ジェイソン・スティサムがかっこ良すぎるのもあって負えない。(スナッチは良い映画です)

 

登場人物達は己の役割を掲げて徹底的に追いつめてきます。何よりも自分の任務が一番大事。風俗大王VS政府VS悪徳アフロというまさに四面楚歌。

果たして利用されたまま終わるのか?どこかに正義は残されているのか?

銀行強盗なんで自業自得な感じもあるんですが、イケメンが生活に困窮していたらそりゃね…。

舞台は広くないんですが、ドキドキとスリリングさが合わさった面白い映画でした!

 

 それにしても公式サイトがむちゃくちゃかっこいいんだぜ!アクション映画かと思った皆さん、残念ですが割と地味目な映画です。

金田一少年の事件簿

嬉しいことなのか寂しいことなのか、とにかく2015年冬アニメは見るものが少なかったおかげでなんとか見放題期間中に見ることが出来ました、「金田一少年の事件簿」!

見放題終了15分前に見終わるというスリリングっぷり!

 

本放送時見たい気持ちはあったものの、雰囲気がとにかく恐ろしく、食事中に見るものでもないという理由から我が家では見ていなかったんですよ。

大人になって見たらやっぱりどことなく恐ろしい話も有り、深夜に視聴するのは控えていたのは内緒の話です。

 

(TVアニメ化10周年記念) アニメ「金田一少年の事件簿」DVD コレクターズBOX (初回限定生産)

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なんといってもやはり演出と美術が良いですよね!

出てくる建物はホテルだろうがペンションだろうがはたまた薬局だろうが蛍光色の壁紙に影が落とされそれだけで不気味な雰囲気を作り上げています。

途中からデジタルが導入されていますが、わざと筆跡を残すような塗りにしたりと不安な気持ちをかき立てるには充分な背景美術です。

またほとんどの殺人が見立て殺人など残酷な殺され方をしていますが、直接描写されることは少なく、シルエットや情景描写を使いながら描いています。

特に初期(1997年)に放送されたものほど丁寧に作ってありますね。

近頃では派手さや物珍しい演出が良いものとされる傾向が強いですが、メタファーに頼り切らず一つ一つのシーンから読み取るような演出もやはり良いものです。

ただ後半は息切れしてきたのか使い回しや動いていないのが気になるシーンなどが増えていますね…。

68話「剣持警部の秘密」に至っては音楽入れ忘れた?と思わずつっこみたくなるくらいです。

あとはOPが段々手抜きに…ゴホゴホ

 

気になった点を続ければまとめて見たのは少し失敗したかもしれません。

似たようなトリックが続いたり、似たような動機が続いたり、お前この冬何回スキー行くんだよ!?と思ったり。

また最終話よりも高遠との推理合戦が繰り広げられる露西亜人形館殺人事件の方がインパクトが大きかったり、とにかくシリーズ構成的には1事件見たらしばらく平和な生活を送ってまた1事件、というのが素敵な殺人サイクルだと思います。

 

今見るとキャラデザの古くささが気になるかもしれませんが、Rを見たあとだとやっぱりこのまるっこいデザインが金田一の良さだよな〜とも思います。

このキャラデザが変なリアリティーを与えているんですよね。

トリック自体は粗があったりパクり騒動があったりと問題もちらほらあるんですが、雰囲気、犯人の独白、たまに挟まれるギャグ多めの回など全て含め他の推理ものより一つ抜き出た存在だと思うのは単に思い出補正だけではないでしょう。

スタッフに愛されしフミちゃんも可愛いですしね!

ゆとりちゃん

「言われてないことを やらなかっただけです なんでそんなに 怒られなきゃいけないの!」

 

実際言われたらイラッとすること必須なんですが、というか若干このアニメの主人公にもイラッとするんですが!

まぁマイペースなら仕方がないかもしれない…なんていうこちら側の心のゆとりを生み出してくれるのが短編アニメーションその名もずばり「ゆとりちゃん」です。

 

ゆとりちゃん [DVD]

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多分初めて見たのがYahoo動画だったと思うんですが、そのとき全編見た記憶がなかったので全部見たのは初めてかな?

とにかく何度見てもゆとりちゃんゆとり世代っぷりは癖になりますね!(他人事)

 

舞台は「おもちゃのポプー」。

ばりばり仕事をするだんかいさん、何事もきっちりやらないと気が済まないバイトのつめこみちゃん、個性的な面々の企画開発部にやってきたのが新人バイトのゆとりちゃんです。

このゆとりちゃんのゆとりあるあるっぷりよ…!

もちろんアニメ用に大分誇張されていますが、あぁこんなこと言われたこともあるな…。

 

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第一話「ゆとりちゃん登場」より。気づいてはいるんですが…

 

他にも人が話をしているところで携帯を出したり、仕事が終わっていなくても帰っちゃったり、あれもしかして原作私だっけ?と思ってしまうシーンが次から次へ。

 

ただゆとりちゃんもつめこみちゃんも、さらに上のだんかいさんも人それぞれ長所短所があるところも現実的。

ゆとりちゃんの物怖じしない性格、突拍子もない行動が成功に繋がることもあります。

逆につめこみちゃんはしっかりしすぎるせいで緊張したり計画倒れになったり。

もちろんゆとりちゃんの行動はアルマジキオンパレードなんですが、なんでも一概に出来るってわけではないですし。

人間だもの

みつを

 

ぽぷーの番宣がはいったり、マジカル熟女の設定が気になったり、サービスカット(さぁ期待するが良い)がはいったりと、1本5分アニメながら川口監督の本領ネタ感満載です。

もし周りにゆとりちゃんがいたら、OPを頭の中で無限リピートすると少しさとりちゃんになれるような気もします。

頭から離れなくなってもありっちゃり!?(でーすよね!)

 

もちろんゆとり世代の方にも仕事ができて頭も良くて人望も有り美人でイケメンで人徳を積んでいる人もいますから、「ゆとり世代ってひとくくりにするな!」という最もなご意見はぜひ慈悲の海に沈めてください。

 

ハッピー・フライト(2008)

何回も書いたんです。

ハッピーフレイとの感想を。

なんででしょうね、なんで保存せずにウィンドウ消しちゃうんでしょうね。

大したこと書いてなかったのもなんだかんだ腹が立つ原因になっているってもんです。

いつも大した感想じゃないけどね。

 

ハッピー・フライト スペシャル・エディション [DVD]

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というわけでハッピー・フライトです。

内容としてはよくある女の子のサクセスストーリー…なんですが、とにかく溢れるレトロ感がかわいい!

ジャケットのCAさんの格好からにして可愛いですよね〜、何より抜群のプロポーションに惚れ惚れしちゃいます。

ちょーっと女の子っていうには大人すぎる気もしますが苦、表情がクルクルかわって役柄にはピッタリでした。

 

頑張って褒めてみたんですが、他にこれといって書くことがないというのが正直な感想でして…。

でもめちゃくちゃ一途に頑張ってそれが報われるってやっぱり良いものです。

伝説のCAはまさに憧れの女性像でかっこよかった〜。

かぐや姫の物語(2013年)

顎です。

良い顎です。

見事です。

 

 

捨丸という名前が気になったり、

媼のおっぱいが気になったり、

顎が気になったり、

とにかく視聴中はいろいろ気になりすぎて物語に入って行けなかった…!

かぐや姫も魔性の女すぎて恐ろしいです。

好きなように生きられなかったことには同情するしかないのですが、見事なまでの天然魔性っぷりでした。

美人は罪深いですね。

 

そんなわけで、見終わった直後の感想としては「あぁすごい豪華な竹取物語だった」くらいのものだったのですが、改めて考えるとかぐや姫がなぜ地球にやってきたのか、なぜ帰郷を悲しむのかのアンサーはしっかりと物語の中に描かれていて思わずおー!っとなりました。

全てを描かないで、断片に忍ばせ全体を作り上げる。こういうの大好きです。

もしまだご覧になっていない方がいらっしゃったら、ぜひかぐや姫の魔性っぷりにも御門にも惑わされずに見て頂きたい。

見る者の思考を止めに入った顎の罪は重いです。

 

翁と月人、それぞれかぐや姫の幸せを願い自分の思惑通りに姫を動かそうとしますが、幸せの暴力という者は恐ろしいですね。

「自分ではなくあなたのため」

「最上の幸せ」

誰かのためになると頑張れるとはよく主人公が口にする綺麗ごとですが、本当に質の悪い悪役とは純粋な善人というのはよく言ったものだなと思います。

 

「こんな作画」といえばそう感じるのも致し方ないものですが、やはり人間らしさを描かせたらジブリは最強ですね!

冒頭赤ちゃんの赤ちゃんは思わずふにふにしたくなる愛らしさです。

 

テイカーズ(2010)

スコア、 スナッチ、 ジャッキーブラウン…ここ最近の映画の王様のクライム推しのおかげで、流血沙汰NG無駄死NGなんなら犯罪駄目、絶対!の私もすっかりクライムムービーの魅力に気づき始めた今日この頃。

そんななか、先週の映画の王様で放映されたのがクライムムービー「テイカーズ」です。

テイカーズ [DVD]

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 どこのサイトを見ても、紹介を見ても、まず眼につくのが豪華俳優陣たち!

…といわれても、あまりピンと来なかったわたしのような人たちも少なくないと信じたい。

ずっとA・Jかっこいい!!っと思っていたらSWのアナキンで、一目惚れも二回目だった。

羽毛に沈んで行く姿はため息ものの美しさです、この人本当に人間なのか…イケメンは良いものです。

 

そんなA・Jの見せ場も含めたアクションシーンは全てが抜群のかっこよさ!

それにしても人間の身体とはかくもこんなに丈夫なものなのか。

腹筋の強さは鍛えれば私でも拳の4、5発余裕で受け入れられるのか。

なんといってもジェシーの逃走シーンは人間の身体能力に関する可能性を感じさせてくれるハラハラドキドキのシーンだと思います。

正直びっくり戦法な強盗シーンよりも興奮しました。

ちょっとカメラ揺れ過ぎと切り替えが早くて状況が掴めないところもあったけれど、とにかくアクションシーンになったら目が離せません。

 

悪い意味で興奮するのがエンディング…。

あまりのもやっとさにしばらく目が冴えていました。

爪が甘い、あまあまだよ!実行前の用心深さはどこにいってしまったんだよ!

 

本当に本物の投げっぱなしエンドを見たような気がします、ありがとうございました。

魔法陣グルグル(1994年)

小学生の頃、近所のコンビニにわくわくしながら買いに行ったものがありました。

チャームに埋め込まれた鏡に光を反射させると、反射した光の中に魔法陣が浮かび上がるというもの。

ワクワクして開けた箱の中からは、一番要らなかったふんどし魔人の姿が…

ふっと箱の見える位置に、中に入っているものがでかでかと書かれていたのを発見したときのどうしようもない気持ちは今でも忘れられません。

多分白目で顔面に縦線はいってたと思う。

 

「ただし魔法は尻から出る」

「わきのしたでおにぎり」

「材料は?」「ギンギー」

など数々の迷言を生み出した「魔法陣グルグル

 

EMOTION the Best 魔法陣グルグル DVD-BOX 1

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アニメを改めて見ると、子供向けに大分丁寧に作っているなという印象です。

もともと原作自体が(絵柄の変化はとりあえず置いておいて)紙面の見せ方が上手くテンポが良い作品なので、漫画と比べるとテンポが悪く感じるかもしれませんが、原作よりも詳しく見せて行くことで展開やシーンが大分分かりやすくなっています。

ただし原作ファン、特にある程度の年齢に達している層から見ると、勢いが失われている感じがするのも分かります。

 

また、光魔法の扱い自体が一つのギャグなので、キラキラが「様々なものから剣を取り出すことが出来る」という設定になっていたり、かっこいいポーズを真面目な修行をして習得するという話にしてしまったのは勿体ないです。

特にキラキラは何でも剣に出来る便利機能になってしまい、後半のピンチになると新しい魔法陣が出現するというチート展開に拍車をかけるものになってしまいました。

 

後半は原作ストックがあまりなかったためかオリジナル展開に入るのですが、作者が関わっていたことも有り、グルグルとしての世界観が大きく崩れることはありません。

これはファンタジーとして、またギャグアニメとしては大切なことだと思います。

特にギップルの故郷を訪れる話では、始終馬鹿馬鹿さが溢れていて良いですね。

 

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第39話「風を呼び戻せ!」。あぁ地獄絵図…アニメでも衛藤氏の描くファンタジーワールドがいかんなく展開されています

 

そしてなんといってもオープニングが良いです。

グルグルはギャグ6割ファンタジー3割シリアス1割ドンチャン騒ぎプライスレスくらいの作品だと思うのですが、これら全てをOPに集約され、また流れるようなシーンの切り替えは御見事ですね。

またEDはどちらも明るく口ずさみやすい曲で、子供向けアニメにはぴったりの曲です。

 

思えばこの頃はまだアニメはあくまで子供達のためのものであり、内容もジャンルも様々でした。

気がつけば子供向けアニメは夕方と朝の数時間に押し込まれ、戦闘と日常を繰り返すものが主流になりました。

これらのことが悪いことだとは思いませんが、アニメはそいろいろな世界に触れ、いろいろなことを体験することの出来る媒体だと思います。

アニメだけではなく、本であれ漫画であれ、ドラマであれ映画、ゲームであれ、多様性が失われてきているような気がして、少し寂しく感じてしまいますね。